新しいことを学ぶ前に、プログラミングに関する基本的な用語を説明します。

まず、最も基本的なこととして、「プログラミング」とは何でしょうか?

「プログラミング」とは、「プログラム」を作ることです。

では、「プログラム」とは何でしょう?

「プログラム」とは、コンピューターに対する命令の集まりです。

コンピューターは「プログラム」に書かれた命令に忠実に従って動きます。

逆に言えば、コンピューターは「プログラム」に書かれている通りにしか動きません。

コンピューターに何かをさせたければ、そのような「プログラム」を作らなければなりません。

では、「プログラム」はどのように作ればいいのでしょうか?

前回、 print(153 - 5) のようなプログラムを作りました。

print(153 - 5)
148

コンピューターはこれを直接理解して動いているように見えますが、実はそうではありません。

グレーのエリアに書いた print(153 - 5) などは、「ソースコード」、または単に「コード」と呼ばれるものです。

本書では、以降は「コード」と呼びます。

コンピューターは、「コード」をそのまま理解することはできません。

コンピューターが理解できるのは「機械語」と呼ばれる言葉だけです。

しかし、「機械語」は 0 と 1 だけで書かれた言葉で、人間がそのまま書くのは困難です。

かといって、人間の言葉(日本語や英語など)はあいまいなので、そのまま「機械語」に翻訳するのも難しいです。

人間に理解しやすく、「機械語」に翻訳しやすい言葉が必要です。

そうして作られたのが「プログラミング言語」です。

人間は「プログラミング言語」で「コード」を書きます。

そして、「コード」を「機械語」に翻訳し、コンピューターが実行するのです。

「コード」を「機械語」に翻訳することを「コンパイル」と言います。

「プログラミング」とは、この一連の作業すべてを指す言葉です。

どのような「プログラム」を作りたいかを考え、そのためにどんな「コード」を書けばいいかを考えます。

「コード」が書けたら、それを「コンパイル」して「機械語」に翻訳し、実行可能な「プログラム」に変換します。

「プログラム」はいつも思い通りに動くとは限りません。

「コード」が間違えていたら、コンピューターはその間違いに忠実に動きます

原因を調査し、「コード」を修正し、再度「プログラム」を実行して確認をしなければいけません。

この作業のすべてが「プログラミング」です。

そして、その作業の中心にあるのが「コード」を書くということです。

本書では、「コード」の書き方を中心に「プログラミング」を学びます。